すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

<span itemprop="headline">クルマの話を《12》 ホンダ・インサイト</span>

クルマの話を《12》

ホンダ・インサイト(HV)

▽「電動ターボ」感覚の加速・瞬発力
▽行って来るほど違う燃費に !と?
▽既に生産終了、絶版復刻を願いつつ


  ハイブリッドのインサイト、寿命は短かったですな。そろそろ2度目の車検を受けようかというのに、華の命は短くて…ですか、すでに後継車種のセダン「グレイス」が街を走り回っている由。ホンダハイブリッドの代名詞だったはずの栄えある車名「インサイト」(実は第2代)の早々の絶版は、残念至極ではあります。


 ハイブリッドは異種複合の意。ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせた次世代駆動は、発表・発売当初から注目され、小生も自動車雑誌のハイブリッド特集やインサイトテーマの新書を手に取ったりした。そうして新色ブラウンの追加を待って、2010年6月に購入した。エンジン排気量1300ccのIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システム。4WD設定なくFFの5ドアハッチバック。MT(手動変速)設定なくL・S・Dモード前進3段のCVT(連続可変変速)フロアシフトという仕様

 エンジン出力にモーターを付加する「電動ターボ」は、小気味いい加速、瞬発力を発揮してくれ、高速道路の合流の時も追い越し、追い抜きの時も安心感を増してくれます。クラッチ操作の無い分、初めてのCVTはMTとATの中間みたいな気分ですな。

エコカーのシルエットは命

 格別の気に入
りポイントが、「街中浮遊物体」のような近未来的デザイン。空気層をくぐっていくようなフロントノーズからルーフラインの流れ、垂直にカットされた後端の処理は空力特性重視ゆえに、つくづく「ハイブリッドはシルエット命」なのだなと思う。
 



 それにしても、インサイトトヨタ・プリウスそっくり加減はどうでしょう。まるで、いずれがアヤメかカキツバタか。詮索はさておき、ここでは、流体力学を突き詰めていくと車体形状は「相似」から「相同」に近づいていくと理解しよう。「流体力学は往々、一卵性双生児を産む」と認識しておこう。

  ただ、小生には、5ナンバー(インサイト)は薄めで軽快、3ナンバー(プリウス)は厚めで重め、に見えますな。これは単なる付記ですが。
 
インサイトプリウス対比

 では、肝心のハイブリッドシステムの違いは? 

  インサイトは「電動アシスト自動車」。ヤマハ電動アシスト自転車「PAS」のクルマ版ですな。ベースはガソリンエンジンで電動モーターが加勢する。実に、IMAの名前通りであり、その証拠にエンジン音とともに発進していく。


  プリウスは「本当はEV(電気自動車)になりたかった車」ですな。バッテリー駆動をサポートするためにガソリンエンジンを積み、だから、本当に音なしの構えで発進していく。PHV(プラグイン・ハイリッド)、別名、充電ハイブリッドが追加されて、プリウスはさらに、本願通りに、電気自動車に近づきました。
 余談ですが、かつて金沢に「天文学者になりたかった」という特異な名前の喫茶店があったのを思い出します。IMAもとい今でいうなら「天文カフェ」かな。果たしてその後、憧れにも似た願望は実現したのでしょうか。「~なりたかった」、の余談です。

 これまでインサイトで出雲・石見、伊勢・鳥羽、しまなみ海道経由で尾道・松山など出かけてきた。燃費はリッター22キロ超えを記録したが、反面、金沢市内をちまちま走っていると私の走りでは12キロ前後がほとんど。高速長距離と短距離、
行って来るほどの違いに「ワンダフルな、不思議な車」と実感することたびたびですな。

 早々と絶版になったけれど、わが現愛車インサイトに特段の不満はなく、車体デザインは全くもって飽きることなく、魅了されている。デザイン復刻を願いつつ、今後も当分、手元のインサイトで参ろうかー。
《写真上段は、インサイト富山県立山町常願寺川公園近くで》
《写真中段は、ホンダのH字ロゴマーク
《写真下段は、トヨタ・プリウス

 きょうは、これにて。