すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

焼酎ネーミングシリーズ≪46≫ ど黒

焼酎ネーミングシリーズ≪46≫
◇ど黒(佐賀県、光武酒造場、芋)

〇骨ヘン旧字の凄み髑髏杯

〇隠し通せぬ「真っ黒」もある

ど黒? どくろ! 髑髏ですか!
ついに出て来ましたか。久しく忘れていた、凶々しい単語。よりによって、この焼酎ネーミングシリーズに登場ですか。かないまへんな。
ラベル(写真)を見ると、黒の字は愛嬌のあるどくろの象形文字風で、憎めない感じがするのに。
 そもそも、♪ほねほねロック~と歌うのはかわいげがあった。が、漢字で骨となると俄然、状況が変わってきますな。
 ほねほねからスタートして、
 ♪骨まで~骨まで愛して~ときた日には、眉に唾つけ、演歌の情緒もへったくれもないなと。それが大ヒットしたから、世間は摩訶不思議と痛感したもんです。
 時の
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総理大臣が国会で、「骨太の方針」を連発した時には、赤じゅうたんで骨? 国会には国会の品格があろうに、ほかに言葉はなかったの? 政権替われど引き継がれて今も国会中継で耳にする。市井どころか施政の用語として、骨太は定着したようですな。
 
 まっ、骨ヘンよりはいいか。
 かつて体育は「體育」と書いた。「骨
豊か」という会意文字が「体」であるとは。まるで“骨肉相食んだ”その結果を指しているようで、いささか滑稽でもあります。から
だとは「人の本(もと)なり」の方が的を射てますな。
 これが骨ヘンの二字続き、「髑髏」となるとー。
おどろおどろしい「髑髏杯」にたどり着く。
 敵将の頭蓋骨を金泥を漆で塗り固め、酒器として織田信長は酒宴で披露した。『信長公記』などによると浅井長政朝倉義景ら三人の首。画数の多い骨ヘン旧字、髑髏の凄みがすごい。対立すれば果ては髑髏杯か。家臣は忠義を尽くすのみですな。
 ヨーロッパでは酒器のほか、ボールがわりにもなった。一説にサッカーの起源は兵士がつかの間しゃれこうべ(晒れ頭)を蹴って遊んだことからとか。単純明快な本能の競技ゆえに、サッカーは戦争代替のスポーツと言われるのでしょうな。
 
 さて本題の「ど黒」について。
 数十回にわたりこの焼酎ネーミングシリーズを、コツコツと書いてきたおかげですぐ分かりましたな。
 ハイ、「ど黒」は黒麹仕込みの芋焼酎をアピールするあまりの名付けであると。♪ド~はど真ん中のど~の要領で、黒も黒、真正の黒がど黒。何しろ昨今は白麹よりも黄麹よりも黒麹が人気ですから。
 ちなみに、かけ・もり財務省答弁、日大反則タックル会見などは、「ど黒」ではなく、「真っ黒」の範疇と思われます。白地で隠そうにもその下に真っ黒が透けて見えますと。
 それにしても「とりあえず否認」事件が多くなりましたな。偉い層ほどそう。道徳上「どえらい」ことですぞ。ど黒ボトルを眺めつつ。
 きょうはこれにて。
  ポパイに、ほうれん草
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