<span itemprop="headline">クルマの話を《10》 三菱ランサー4WDディーゼル</span>
クルマの話を 《10》
三菱ランサー4WDディーゼル
▽雪、泥、砂利道に最強?安心
▽ディーゼルと4WDのコラボ
▽意外に重宝5ドア、車中泊向け
●ディーゼル車はおもろい車でしたな。いすゞジェミニで学んだが、エンジンは丈夫で長持ち、しかも経済的。万一の場合には重油でも、灯油でも走行可能(試したことはないけれど)な、いわば災害時対応型。ガソリンエンジンがベジタリアンの町っ子なら、ディーゼルエンジンは草原の雑食性と言ったところでしょうか。というわけで、わが愛車3代目には、ディーゼル路線を踏襲しつつ4輪駆動車を選択しました。三菱ランサー4WDディーゼル(1800㏄、1988年発売)。
●FR(フロントエンジン、リアドライブ)だったジェミニディーゼルののち、ランサーは新しく登場してきた4WDタイプで、しかもFFベースだから、これはもう待望の完全雪国仕様だったといえます。何しろ苦寒の思い出がありますから。雪道で対向車とすれ違う際、雪に覆われた用水に気づかず、FRの前輪がスローモーションのようにコットンと脱輪。雪空に取り残された私はひたすらJAFレスキューを待ったのでした。4WDなら積雪路の脱輪もきっと自力で路面復帰できるはずー。こんな経験が、ディーゼルエンジンとフルタイム4WDが合体した車に心動いたとしても当然でしょう。雪道、雨道、ぬかるむ泥道、砂利道、さら
に凍結路でも心強いと。
ちなみにこの頃、フルタイム4WDのほかに「パートタイム4WD」「リアルタイム4WD」もありましたな。まるでハローワークの求人情報でしたな。余談ですが。
●この車で、予想外に良かったのが5ドア車だったこと。一見普通のセダンと見えながら、実は、跳ね上げ式のバックドア(トランクルームのふたではありませんぞ!)を持ち、後部座席を倒すと、真っ平らではないものの荷室一体の広いスペースが出現する。子ども2人くらいなら寝そべって遊べる広さ。『月刊自家用車』の裏表紙に、5枚目のドアを高々と跳ね上げたランサー(槍騎兵の意)の広告を見たとき、愛車3代目決まり~と直感しました。それが、まさかの重宝でしたな。復唱、三菱ランサー4WDディーゼル。
車中泊という単語の定着以前
●この車ではなかったけれど、2連休の前夜10時過ぎに思い立って一人、遠出を敢行したことがある。国道8号を行き先定めずとにかく西へ西へ。福井駅前で仮眠のはずが、雨が車の屋根を叩いて一睡もできず、さらに西へ。トラックの赤い尾灯の列に連なって、ひたすら西へ。空が段々あかね色に染まり、やがて見渡す限りの水面が出現。一瞬、海と思ったものの、これが琵琶湖だったんですな。カーナビもないころの、今も記憶に残る夜明けの景色です。駐車場に車を乗り入れると、無人と思えた車の運転席シートがあっちでもこっちでも跳ね上がり、続々人影が動き出す…。みな今で言う「車中泊」だったんですな。人車一体のツアーとでもいいますか。
ふらり丹後半島一周の車旅
●これに触発されて、このランサーに寝袋を放り込んで、単身、城崎温泉と丹後半島一周の車旅に出たことがあります。半島付け根の町の、スーパー店舗駐車場に車を停め、寝袋にくるまってうとうとしていると、警察官の懐中電灯に照らし出された。県外も県外、遠い石川ナンバーだから、当然職務質問の対象だったのでしょう。道の駅から道の駅の車中泊が珍しくも何ともない今にして思うと、ワゴン車やキャンピングカーはさておき、5枚ドアの車は、宿泊先予約のないふらり、気ままな車旅にはもってこいの車。普段は変哲なき普段使いの車、いざとなったら車中泊可能なクルマとなって、宿泊先未定のさすらう旅もできます。旅行でも、ツアーでもない本当の旅です。
片刃の剣、ときどき両刃(もろば)の剱、といったところでしょうか。5枚ドアはおもろい仕掛けのクルマなんですな。
既掲載は
《9》いすゞ・ジェミニディーゼル
《8》続スバル・レオーネ
《7》スバル・レオーネ
《6》自動車ショー歌
《5》プリンス・グロリア(2代目)
《4》スバル360
《3》いすず・117クーペ
《2》日野・コンテッサ(1600㏄)
《1》マツダ・コスモスポーツ
きょうは、これにて。次回、わが愛車4代目について。
三菱ランサー4WDディーゼル
▽雪、泥、砂利道に最強?安心
▽ディーゼルと4WDのコラボ
▽意外に重宝5ドア、車中泊向け
●ディーゼル車はおもろい車でしたな。いすゞジェミニで学んだが、エンジンは丈夫で長持ち、しかも経済的。万一の場合には重油でも、灯油でも走行可能(試したことはないけれど)な、いわば災害時対応型。ガソリンエンジンがベジタリアンの町っ子なら、ディーゼルエンジンは草原の雑食性と言ったところでしょうか。というわけで、わが愛車3代目には、ディーゼル路線を踏襲しつつ4輪駆動車を選択しました。三菱ランサー4WDディーゼル(1800㏄、1988年発売)。
●FR(フロントエンジン、リアドライブ)だったジェミニディーゼルののち、ランサーは新しく登場してきた4WDタイプで、しかもFFベースだから、これはもう待望の完全雪国仕様だったといえます。何しろ苦寒の思い出がありますから。雪道で対向車とすれ違う際、雪に覆われた用水に気づかず、FRの前輪がスローモーションのようにコットンと脱輪。雪空に取り残された私はひたすらJAFレスキューを待ったのでした。4WDなら積雪路の脱輪もきっと自力で路面復帰できるはずー。こんな経験が、ディーゼルエンジンとフルタイム4WDが合体した車に心動いたとしても当然でしょう。雪道、雨道、ぬかるむ泥道、砂利道、さら
に凍結路でも心強いと。
ちなみにこの頃、フルタイム4WDのほかに「パートタイム4WD」「リアルタイム4WD」もありましたな。まるでハローワークの求人情報でしたな。余談ですが。
●この車で、予想外に良かったのが5ドア車だったこと。一見普通のセダンと見えながら、実は、跳ね上げ式のバックドア(トランクルームのふたではありませんぞ!)を持ち、後部座席を倒すと、真っ平らではないものの荷室一体の広いスペースが出現する。子ども2人くらいなら寝そべって遊べる広さ。『月刊自家用車』の裏表紙に、5枚目のドアを高々と跳ね上げたランサー(槍騎兵の意)の広告を見たとき、愛車3代目決まり~と直感しました。それが、まさかの重宝でしたな。復唱、三菱ランサー4WDディーゼル。
車中泊という単語の定着以前
●この車ではなかったけれど、2連休の前夜10時過ぎに思い立って一人、遠出を敢行したことがある。国道8号を行き先定めずとにかく西へ西へ。福井駅前で仮眠のはずが、雨が車の屋根を叩いて一睡もできず、さらに西へ。トラックの赤い尾灯の列に連なって、ひたすら西へ。空が段々あかね色に染まり、やがて見渡す限りの水面が出現。一瞬、海と思ったものの、これが琵琶湖だったんですな。カーナビもないころの、今も記憶に残る夜明けの景色です。駐車場に車を乗り入れると、無人と思えた車の運転席シートがあっちでもこっちでも跳ね上がり、続々人影が動き出す…。みな今で言う「車中泊」だったんですな。人車一体のツアーとでもいいますか。
ふらり丹後半島一周の車旅
●これに触発されて、このランサーに寝袋を放り込んで、単身、城崎温泉と丹後半島一周の車旅に出たことがあります。半島付け根の町の、スーパー店舗駐車場に車を停め、寝袋にくるまってうとうとしていると、警察官の懐中電灯に照らし出された。県外も県外、遠い石川ナンバーだから、当然職務質問の対象だったのでしょう。道の駅から道の駅の車中泊が珍しくも何ともない今にして思うと、ワゴン車やキャンピングカーはさておき、5枚ドアの車は、宿泊先予約のないふらり、気ままな車旅にはもってこいの車。普段は変哲なき普段使いの車、いざとなったら車中泊可能なクルマとなって、宿泊先未定のさすらう旅もできます。旅行でも、ツアーでもない本当の旅です。
片刃の剣、ときどき両刃(もろば)の剱、といったところでしょうか。5枚ドアはおもろい仕掛けのクルマなんですな。
既掲載は
《9》いすゞ・ジェミニディーゼル
《8》続スバル・レオーネ
《7》スバル・レオーネ
《6》自動車ショー歌
《5》プリンス・グロリア(2代目)
《4》スバル360
《3》いすず・117クーペ
《2》日野・コンテッサ(1600㏄)
《1》マツダ・コスモスポーツ
きょうは、これにて。次回、わが愛車4代目について。