すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

<span itemprop="headline">「1人実は2人」 「2人は1人」</span>

 ☆枝葉末節だが、作曲の場合でもゴーストライターというのだろうか。録音されたメロディーを五線譜に書き落とすのならライターだろうが、曲想を聞かされ啓示○○%、運命○○%などというような構成まで指示を受けて、その意に沿うような交響曲を作ったのであれば、ここは厳密に「ゴースト・コンポーザー(作曲者)」と言うべきでないか。マスメディアの用語にまずはちょっと疑問を、ですな。

☆聴力を失った作曲家だとして国内外で「現代のベートーベン」ともてはやされた佐村河内守氏、そして18年間、佐村河内氏から依頼を受けて交響曲等の代作を続けてきた音楽大学非常勤講師の新垣隆氏。佐村河内氏の作とされた交響曲は、実は影の別人が作ったものであった。クラシック音楽界の、何とも奇っ怪な、古今未曾有の醜聞。


  ☆受け取ったのは、CD売り上げに応じた印税の一部ではなく、代作の「報酬」であって、したがって、代作した曲の著作権を主張せずこれを放棄するとか。代作であっても曲のどこかに「新垣カラー」はなかったのだろうか。自作曲に愛着はなかったのだろうか。だとしたら、本当に自己表現者なのかな?。

  ☆北陸は富山県出身の著名な漫画家、藤子不二雄さん。実は2人で1人だった。高岡市出身の藤本弘さん(故人)、氷見市出身の安孫子素雄さんの苗字から仲良く1字づつ取り「藤子」。2人ではないから不二雄。頭に毛が3本の『オバケのQ太郎』、取り出す道具がだんだんハイテクの現実味を帯びてくる『ドラえもん』『パーマン』『忍者ハットリくん』『怪物くん』など、小さな瞳を夢中にさせるキャラクターの物語をこの名で連発した。絵のタッチ、作風に違いが出てくると、それぞれイニシャル1字を付け足して、藤子・F・不二雄と藤子不二雄A=○で囲む=とした。ちょっと2人の線路は分かれたが、またいつでも一つになれるさー。そう言わんばかりに「藤子不二雄」の名前は決して壊さなかったのである。

☆そんな例さえあるのに、なぜ、二人は交響曲を連名で発表しなかったのだろう。18年間の罪。新垣氏は記者会見で「私は共犯者」と述べ著作権放棄の明言に至ったのだが、そこまで言うと、作曲家のみならず、作家活動をする「自己表現者」って何なのさ。創作に文字取り懸命なはずなのに、おかしいこと至極だ。ホント、全部がうそのようなあり得ない話、いや作曲偽装事件でしたな。

  ☆以下は、北陸自慢の余録。高岡市路面電車万葉線には「ドラえもん電車」が走り、図書館には「ドラえもん文庫」もある。氷見市には忍者ハットリくんたちのモニュメントや像が並び、JR氷見線城端線には忍者ハットリくん列車も走っている。藤子漫画で育った父親母親とその子供たち、高岡、氷見に遊びにおいで。ひとみ輝く世界があるよ。
きょうは、これにて。