すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

<span itemprop="headline">番外編 去年今年3題</span>


番外・去年今年3題

○去年今年 貫く棒の如きもの (虚子)○

そうか。きょうはこの句を実感できる日か。晦日中の晦日、大晦日。ならば、夜半から未明へ、年に一度の日付変更線をまたいでみようか。
しかし、初めてこの句に接したとき「棒の + 如きもの」って何だ?と思いましたな。物理的すぎて散文的すぎて……とても韻文の世界とは思えませんでした。「如きもの」に代えて、ほかのしっくりくる言葉を紡ぎ出すのが俳句ではないでしょうか。大げさに言えば文芸、文学ではと。
とても普通の俳句とは思えずびっくりし、しかも、
作者の名を知ってまたびっくり。これが高浜虚子の句とは思いもしなかった。あるいはだからこそ、逆にしっかりと脳裏に銘記され、したがって年末になるとわが口先におのずと出てくるのかもしれません。
失礼ながら、最初の印象というもの、年月がたとうがたつまいがそうそう変わるものではなさそうです、困ったものです。
「こぞことし つらぬくぼうのごときもの」。

▼「去年今年」その2 紅白歌合戦
紅白歌合戦を観なくなって何年になるだろう。興味も関心もうすくなった。あながち歳のせいだけではあるまい。
知らない曲、歌手、グループが多くなって、今年はなんとお笑い芸人もゲストではなく正式出演するとか、ややや?? さらにはカタカナジャンルの歌が増えて、歌詞に魅了されてきた演歌の肩身の狭いこと狭いこと。
老いも若きも男も女も同じ流行歌を聴いた時代は去り、曲の好みは多様化、細分化した。さながら「♪♪はやり歌いろいーろ、ジャンルもいろいーろ、、てんでばらばらよ~」。(これはポップ調演歌「人生いろいろ」であったか。やはり洋より和のノリがいいな、しっくりくるな)
時代はかようにさまがわりしてもNHKは、紅白歌合戦という永年の金看板に懸命にすがっている。逆ねじを巻くように、自局制作番組の広告、前宣伝も激しい。ビジネスモデルとしては終演どきを迎えているのにな。時流に、波に棹さしつつ……。

ところで、大勢が歌って踊って学芸会のようなAKB48に対して、北陸AKBって知ってます? 近江町いちば館の割烹の店に張り紙してありました。ーー甘エビ、カニ、ブリ。うまいな、旨い。

▼去年今年その3 年賀状
 よくよく考えてみれば、奇ッ怪なこと。新年までまだ何日もあるのに、「新年あけましておめでとう」などと書き、日付はまだ十二月中なのに「元旦」と記す。これって、差出人本人による私文書偽造じゃありません? だれも異状を疑わないけれど。
実はこれ、「表に年賀状と朱記あれば元日に配達する」という、年賀特別郵便制度が明治以来連綿ずっと続いてきている、その証なんですな。制度は逓信省提唱・公布だったから冷静に振り返ると、国を挙げての詐称、詐話だった??

数日前、はがきの値上げが発表されました。現行1枚52円が、一挙に62円に。販売枚数のジリ貧傾向とまらずやむを得ぬ値上げが、さらなるジリ貧を招くおそれ大きく、覚悟の当座の利益確保策なのでしょうか。
このネット社会、SNS活用社会で、今後も販売枚数の逓減は確実であり、果たして値上げのその先に待っているのは? 

そろそろ、「年明けて書く本当の年賀状」を出してみたいですな。新年の清新な一言を受け取ってみたいですな。会社法人向けの業務用年賀状はさておき、個人用年賀状です。配達はあけて正月ということで、もちろん消印は1月1日以降の投函日で。
年賀はがきの魅力復活を信じています…。

きょうは、これにて。
ポパイに、ほうれん草
ブログに、いいねボタン。