すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

<span itemprop="headline">どうにも熱い、焼酎ネーミング シリーズ6</span>

連想が連想を呼ぶ焼酎の名前シリーズ 第6弾

北陸からも、登場です。雪の降る地域は日本酒のおいしいところですが、近年、焼酎づくりにも取り組む蔵元が増えてきています。消費者の酒の好みの多様化に対応してのことでしょう、多くの蔵元がネーミングに趣向を凝らしています。名付けの由縁が想像できにくい「虎の涙」と、ちょっと感慨のこもった「蔵人の戯れ」。この2本をとりあえず。

既掲載は
(シリーズ5、いも神、元祖やきいも)
(シリーズ4、魔女からの贈りもの 魔法のくちづけ◆うわさのいい夫婦)
(シリーズ3、百年の孤独、問わず語らず名も無き焼酎)
(シリーズ2、銀座のすずめ、とんぼの昼寝)
(シリーズ1で、六地蔵の夜仕事、我伝直伝)



雀の涙のアベノミクス効果
能登の虎、元気出さにゃ
▼虎の涙▲ 
(石川・日本発酵化成、麦)

虎にも涙があるのか。虎も涙を流すのか。ついぞ、見たという人に遭遇したことがない。

ー―アベノミクスで、お宅の会社、給料上がったって?
ほんの少し、微々たるもの。雀の涙だよ。

ーー虎の涙だったって聞いたけどな。
そりゃ、輸出企業、大企業のはなしだろ?。中小・零細なうちなど賃上げは難しいと思ってたけど、社員のこと、社員のモチベーションを考えて社長がギリギリ決断したんだ。雀の涙でも、従業員としてはうれし涙だよ。ほんとは虎

の涙くらいはほしいけどね。

ーー雀と違っ
て、虎はきっと大粒の涙だろうな。
給料にも消費税をつけてくれればいいのにな。税は5%から8%、ゆくゆく10%だぜ。為替差益に縁が無いから、従業員として血も汗も「消費」したんだからさ。給料にも消費税を。この論法おかしいか? ともあれ、消費税だけは大粒になる一方だもんな

ーー蔵主は虎年だったのか。一説に虎ファン説もあるけど。

タイガースファンのくやし涙だってか。能登半島珠洲市から、タイガースファンを照準に市場投入して、売れるか?
蔵元の社名は「日本」を冠している。だから販売量はともかく、全国の虎ファンの気持ちを代弁しても全然、おかしくないよ。

ーーあり得ない話でもないと?

そうだ。放送衛星通信衛星も、能登半島めがけて電波を飛ばしているそうだ。列島同心円の中心は能登、列島まんべんなくカバーできる。能登は日本のへそということか。
古代と変わらぬ能登地政学だな、うん。能登の虎、元気出
さにゃ。出そうぜ。





戯れなどと言わないで
いろいろ蔵人読み次第
▼蔵人の戯れ▲
(富山・若鶴酒造、米)

ーー同じ様に蔵人と書いても、いろいろ読み、意味がある。

○蔵人くらびと  
酒蔵で酒造りの仕事をいろいろする人。日本酒なら杜氏の指示のもと酒造りに邁進する。

○蔵人くろうど 
律令制下の令外官のひとつで、天皇の秘書的役割を果たしたと、ものの本にある。



○蔵人くらんど、くらと
純粋に人名です。近年は飲食店の店名にも多いようです。

○蔵人クロード 
読みをカタカナで書くと、俄然、洋風の人名になる。さらに、ローマ字ではなくアルファベットで書けば、署名はスムーズに万国に通
用するに違いない。
一説に、世界的なギタリスト、フランス出身のクロード・チアリさんにあやかって、親が国際的飛躍を願いわが子につけた名前が走りだとも。そのクロード・チアリさん、日本に帰化したのは良く知られているところです。

 若鶴は、越中富山は砺波の日本酒メーカー。蔵人が日本酒造りの合間に、あるいは併行して焼酎も造った。で、蔵人の戯れ(??)。
日本酒メーカーとしての自負が垣間見えるネーミングです、美酒どころ北陸の日本酒メーカーとしてある意味、まっとうな名付けではあります。戯れなどと言わず、戯れでない焼酎の登場も願っています。

きょうは、これにて。次回シリーズ7で。