すーてき散人空の紙

北陸発、テキスト偏重、テーマは原則その時々、気分次第の旬刊ないし月刊、あるいはときどき不定期刊のブログです。

<span itemprop="headline">「国民総読書量」のアップにつながる?</span>



◆やっと、電子書籍もOKのカード◆

 ☆ビットコインという電子マネーの危うさが指摘されている。世界各国の通貨と交換でき、したがって資金洗浄にも使われ、投機的色彩も帯びる。半面で、各国の公的機関の保証、下支えもない。足の見えない幽霊のような、実体なきお金ですな。

  ☆一方こちらは、同じ電子マネーでも、額面の範囲内でしか使えない〝ささやかな〟前払い(プリペイド)型電子マネーのお話。硬貨や爪でこすると出てくる長い番号が代金決済機能を発揮する別名、スクラッチマネーですな。音楽やゲーム、ショッピングのほか、電子書籍購入(!)にも使えるのが、やっとというか、ようやくというか、コンビニ店頭に登場してきた。書くならこのタイミングでしょ、と今回取り上げる次第。

  ☆なぜ、「やっと」と思うのか。ひとことで言うなら、セキュリティの問題です。
   わずか数百円の電子書籍をパソコンから購入(ダウンロード)しようとして、クレジットカードの口座関連情報の入力を求められたことがある。とっさに目の前に「流出」の2文字がちらつき、結局、購入を断念した。
下敷きとなったのは、さらに以前の経験。ソフト会社から「アカウント流出の恐れ」という物騒な緊急メールが入り、パスワード変更に追われた。この経験がクレジット情報の入力、ひいては電子書籍購入を中断させたんですな。「口座の流出」は、残高の多寡に関係なく、ホント怖い。

☆その点、前払い型カードなら、仮にカードを紛失しても、悪用されても額面金額の範囲内にとどまるから、額面相応の覚悟をすればいいだけの話。セキュリティ上の不安にとらわれることはない。
しかも、「WebMoneyカード」の場合、いくつもの出版社、書店が参加している。ブックウオーカー(角川系)ガラパゴスストア(シャープ系)ブックライブ(凸版印刷系)wook(キングジム系)など20を超す。つまり、得意分野に応じてあっちの書店、こっちの書店と便利に使えそうなのだ。

☆ネットにさえつながれば、スマホタブレット、パソコンからいつでもどこでも購入できるのが電子書籍の強み。電子出版権をめぐる著作権法上の問題がクリアされれば、書籍選択の幅は格段に広がり、読書の機会も増えて、言ってみれば「国民総読書量」は格段に上がるのではないか。にぎわしいコンビニ店のカード陳列コーナー=写真=も、さらににぎわしくなっていく、という予感がする。
きょうは、これにて。
(写真は、金沢市内のセブンイレブン・コンビニ店で)